投稿者: SOLARIA-STAFF

定額減税について

所得税・住民税の定額減税についてどのような制度なのかご案内いたします。

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1.定額減税とは

令和6年分の所得税と個人住民税に対して行われる減税施策のことです。

 

2.控除される金額

(所 得 税) 本人と扶養親族人数×30,000円

(個人住民税) 本人と扶養親族人数×10,000円

※上記扶養親族には所得税の控除で含まれない、16歳未満の方も含まれます。

※控除しきれなかった額については、令和7年1月以降に繰り越して控除されませんが、

別途給付金制度がございます。

 

3.控除を受けられる人

(1)令和6年分の所得税の納税者であること。

(2)日本国内に住所を有する個人または引き続いて1年以上居所を有する個人(居住者)であること。

(3)令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下であること。

 

4.給与所得者、年金受給者、個人事業主についてそれぞれの減税方法

(1)給与所得者

6月給与に係る源泉所得税で控除されます。引ききれない金額については7月から12月の給与源泉所得税、年末調整、確定申告にかけて順次控除されます。

※主たる給与の支払者のもと(甲欄)でのみ控除されます。

※源泉徴収票の摘要欄に減額済み額が記載されます。

 

(2)年金受給者

6月に支給される公的年金の源泉徴収分から控除されます。

引ききれない金額については給与所得者同様7月から12月、確定申告にかけて順次控除されます。

 

(3)個人事業主

第1期予定納税額から控除されます。

引ききれない金額は、第2期予定納税で、最終的には確定申告で控除額を清算されます。

 

5.具体的な減税のされ方

(本人と扶養親族2名の場合で、各月の源泉徴収税額が35,000円の場合)

定額減税所得税控除額:30,000×3名=90,000円

6月     7月     8月     9月以降

控除前税額   35,000円  35,000円  35,000円  35,000円

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢  ▢▢▢▢▢▢   ▢▢▢▢▢   ▢▢

控除後税額      0円       0円      15,000円  35,000円

 

6.住民税の控除

(1)給与から引かれる方(特別徴収)は、6月分は控除されず、年間の金額から7-5月分の11カ月間で均一に控除されます。

(2)自分で納付する方(普通徴収)は、控除額が引かれた納付書が届きます。

 

 

ご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

2割特例について (インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)

2割特例について
(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)

10月より消費税に関するインボイス制度が開始されました。

たくさんのご事情検討後免税事業者から課税事業者となり、初めての消費税計算や納付に向けて不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな事業者様のために事務的労力の負担を軽減する特例をご紹介いたします。


□2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)とは

インボイス制度開始である令和5年10月1日に免税事業者から課税事業者になられた方を対象に、
仕入税額控除額を特別控除税額、すなわち売上に関する消費税額の8割にすることができる、というものです。

これまでの消費税額の計算では、
預かり消費税額から支払った消費税額を差し引いて計算する必要がある本則課税制度と、
預かり消費税額に仕入れ率をかけるに簡易課税制度がありますが、事務的労力がかかります。

2割特例制度を適用する場合、
売上に関する消費税額 × 20% = 消費税の納付額
となり、計算にかかる労力の負担軽減をすることができます。

この特例は提出する消費税申告書に「2割特例を適用する」旨を記載することで受けることができ、事前の届出は不要です。

また、インボイス登録時に適用した課税方法と比較し、各課税期間ごとに納付額に有利な制度を選択することが可能なので、その場合は納付税額の負担軽減にもつながります。

□特例を適用できる期間
令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間となります。

□対象外の課税事業者
・基準期間における課税売上高が1千万円を超える事業者の方
・資本金1千万円以上の新設法人
・インボイス発行事業者の登録と関係なく事業者免税点制度の適用を受けないこととなる方
・課税期間を1カ月又は3カ月に短縮する特例の適用を受ける方

また、簡易課税の届出は通常は課税期間の初日の前日までですが、インボイス登録をしている場合は令和5年12月31日までに、届出に令和5年分から摘要する旨の記載し提出をすれば令和5年分から適用が可能です。

インボイス制度に関しては、弊社HP過去ログもございますのでご参照ください。
インボイス制度の登録受付が始まっています
インボイス制度について

ご不明な点ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

参考URL:2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要

相続土地国庫帰属制度について

令和5年4月27日より、「相続土地国庫帰属法」が施行されました。この法律により、一定の条件を満たすことで、相続または遺贈によって取得した土地を手放して国に引き渡すことが可能となりました。今回は、「相続土地国庫帰属制度」についてご紹介いたします。 

  • 制度の目的

国内では先代、先々代と相続が重なるにつれて権利関係が複雑になり、所有者不明の土地が年々増加しています。そのような土地は、所有権の問題で第三者の利用が難しくなります。そこで、所有権が明確なうちに国の管理下に置くことで、土地の再活用を目指すことが目的です。 

  • メリット

要件を満たせば国が引き取ってくれるので、買い手を探す手間が省けます。売却出来る可能性が高い土地の場合は本制度の検討は不要ですが、活用が見い出せない土地は売却が難しく、固定資産税の支払いや管理費用も発生します。そのまま所有するよりも、費用を負担して国に引き渡した方が安く済む場合に活用すると効果的です。 

  • 申請対象者

相続又は相続人に対する遺贈によって土地を取得した人が対象です。本制度開始前に 取得した土地についても、申請可能です。 

  • 引き取り不可能な土地

引き取ることが出来ない土地の要件概要は下記になります。 
(1) 申請をすることができないケース(却下事由)(法第2条第3項) 
 A 建物がある土地 
 B 担保権や使用収益権が設定されている土地 
 C 他人の利用が予定されている土地 
 D 土壌汚染されている土地 
 E 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地 

 (2) 承認を受けることができないケース(不承認事由)(法第5条第1項) 
 A 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地 
 B 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地 
 C 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地 
 D 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地 
 E その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地 
出典:法務省(相続土地国庫帰属制度の概要) 

  • 申請先

申請先は、「帰属の承認申請をする土地が所在する」都道府県の法務局・地方法務局の本局の不動産登記部門となります。法務局・地方法務局の支局や出張所では受付出来ませんのでご注意ください。 

  • 諸費用

・審査手数料 
土地一筆当たり14,000円が発生します。 
・負担金 
国に引き渡す際の管理費用にあたる負担金を納める必要があります。金額は、一筆ごとに原則20万円ですが、市街地や農用地区に当たる宅地、田畑は、面積によって負担金額が上昇します。森林については、面積の大きさで負担金額が決まります。土地の状況によっては100万円程度かかる場合もございます。 

今回は「相続土地国庫帰属制度」についてご紹介いたしました。制度を利用するにあたって、いくつか条件が定められており、費用も発生いたします。不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。 

教育資金の贈与の特例について

年間110万の基礎控除を超えて、贈与税がかからないように贈与を行いたい場合、教育資金の贈与の特例という非課税枠があることをご存じでしょうか。
今回は教育資金贈与の非課税枠についてご紹介します。

1 教育資金の贈与の特例とは
もともと教育資金は、必要な費用をその都度渡して使い切る場合は、贈与税はかかりません。
この特例の特徴は、「一括で」「すぐに使わなくても」、子や孫1人につき1,500万円までの贈与が非課税という点にあります。
また、この制度は令和5年度の税制改正により、令和8年3月31日まで適用期限が延長されました。
※贈与者は(祖父母など)直系尊属であり、受贈者は30歳未満であることが必要です。

2 制度の対象となる教育資金
学校の入学費用や授業料などに使うことはもちろん、教育に関する役務提供の対価、スポーツの指導対価、文化芸術に関する活動の対価に使うこともできます。
※学校等以外への支払いは500万円までしか認められていません。

3 必要な手続き
1. 贈与者と受贈者の間で、贈与契約書を交わす。
2. 受贈者名義で金融機関に「教育資金口座」を開設する。
3. 口座を開設した金融機関に「教育資金非課税申告書」を提出する。
(「教育資金非課税申告書」を金融機関経由で、税務署に提出する)
※贈与税の申告を別途行う必要はありません。
4. 贈与者が教育資金口座へ教育資金を入金する。

4 相続税が非課税となる条件
税制改正により、贈与者が亡くなった場合、残高の全額が相続税の課税対象財産になりました。しかし、次のいずれかの条件を満たす場合には相続税が非課税となります。
1. 受贈者が23歳未満の場合
2. 受贈者が学校等に在学している場合
3. 受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合

教育資金の贈与の特例を使って行った贈与は、生前贈与加算(死亡前3~7年以内にした贈与の相続税の持ち戻し)の対象にならないため、手元に金融資産が十分にある場合は教育資金の贈与の特例をご検討することも節税対策として有効です。

今回、ご紹介した教育資金の一括贈与については所得要件、資金の使途制限や期間が定められているなど、デメリットもございます。
そのため、ご検討されるうえで、不明点やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

ふるさと納税について

ふるさと納税について 

 

ふるさと納税制度は「ふるさとの自治体に貢献できる制度」、 

「応援したい自治体を選ぶことができる制度」として創設された制度で実際には「寄附」です。 

一般的に自治体に寄附をした場合には確定申告を行うことで、 

その寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除されますが、 

ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額(所得に応じた上限があります)が控除の対象となります。 

すでにご活用の方も多いかと存じますので、 

今回は2023年10月から適用される新ルールとあわせてご案内します。 

 

【変更点】 

1)「5割ルール」の厳格化 

「募集に要する費用」を寄附金受入額の5割以下とするルールはこれまでもありました 

このルールの適用がより厳格化され、ポータルサイトの利用手数料の全てや各種事務に係る費用等も明確に「募集に要する費用」として算入することになりました。 

 

2)熟成肉・精米は同一都道府県内産のみ 

熟成肉と精米は、同じ都道府県で生産されたものを原材料とするもののみが返礼品となります。返礼品として人気のあるお肉やお米ですが、産地が異なる例えば「輸入肉を地元で熟成した返礼品」を「地場産品」と見なして良いものかなど、一部の返礼品に疑義が呈されたためです。 

なお、海外からの輸入品を原料にしていても、味付けなどの加工で相応の付加価値を付けられた等の場合は返礼品となります。 

 

【ふるさと納税の流れ】 

(1)寄附金控除上限額を調べる 

※ふるさと納税は、所得に応じて控除が適用される金額に上限があります。 

(2)寄附をする自治体を決めて申し込む 

(3)「お礼の品」と「寄附金控除証明書」を受け取る 

※「寄附金控除証明書」は確定申告で使用するので大切に保管してください。 

4)確定申告をする 

詳細は弊所ホームページ過去ログ「インターネットを使わなくてもできるふるさと納税」もご参照ください。 

 

【確定申告とふるさと納税ワンストップ特例制度について】 

ワンストップ特例を利用すれば確定申告をしなくても寄附金控除をうけられますが 

確定申告すると自動的にワンストップ特例での申請は無効になりますので、 

確定申告される方はワンストップ特例の申請は不要となります。 


10月以降は、従来と同じ返礼品でも寄附金額の引き上げが行われたり、いままであった返礼品がなくなってしまう可能性があります。既に気になるものがある方は今月中に寄附を行ったほうが、良いかもしれません 

ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。 

身近にある相続財産

相続財産といえば、土地・建物・現預金・有価証券は連想できますが、
生前の趣味によっては身の回りに財産が多数存在するケースがございます。
今回は身近にある相続財産をいくつか紹介いたします。


①お財布の中身
お財布の現金はもちろん、交通系などの電子マネーカードも相続財産となります。
電子マネーカードの相続方法は各社の規約に準じますので確認が必要です。
例えば、交通系電子マネーカードの相続には除籍謄本、相続人との関係性がわかる戸籍謄本、相続人の身分証明書、相続人の認印が必要となります。

②絵画・茶器・掛け軸などの骨董品
美術品や骨董品は販売業者以外は相続が開始した日の時価で評価すると定められています。
売買実例価額がない場合、専門家の鑑定が必要になります。

③高額なカメラ・自動車、貴金属、切手など
骨董品以外の中古市場があるものは、
買取業者の査定価額やインターネットの買取価格から評価をすることができます。

④ゴルフ会員権・リゾート施設会員権
株式の所有を必要とせず、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等がない場合は評価が不要です。
取引相場のある会員権は相続が開始した日における通常の取引価格の70パーセントに相当する金額と返還を受けることができる預託金等を合計して評価します。
取引相場のない会員権はその会員権にかかる株式の価額と預託金等を合計して評価します。
相続方法は運営会社の規約に準じますが、登録免許税や名義書換料が必要になります。

また、骨董品以外の1点または1組あたりの評価が5万円以下の財産は「家庭用財産一式」として一括で評価することができます。


気になる点などございましたら、いつてもお気軽にご相談ください。

タワーマンション節税防止に向けた相続税算定方法の見直し

高層マンションの所有や投資は、不動産市場において人気が高まっています。しかし、不動産投資には税金に関する重要な事項が存在します。最近の税制改正により、タワーマンションを含む不動産の所有や運用に関わる節税に関するルールが変更されました。このコラムでは、タワーマンション節税の改正内容と、オーナーや投資家にとって重要なポイントについてご紹介いたします。
タワーマンションとは一般的には20階以上、高さが60mを超える超高層マンションを指します。

改定の背景
今回の算定方法を見直す背景は、評価額と市場価格の乖離です。
現在の算定方法は1964年から運用されておりますが、マンションの建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額をそのまま使うため、階層によって差が出ません。また、土地についても土地全体の評価額を部屋の専有面積に応じて按分します。そのため、相続評価において、評価額と市場価格の乖離が大きいことが問題視されておりました。

算定方法改定後の影響
現行の算定方法では評価額を用いて相続税を計算しておりましたが、新たな算定方法では評価額と市場価格の乖離が約1.67倍以上の場合に、従来の評価額に乖離率と0.6をかけて評価します。そして影響度についてですが、タワーマンションは全国ではおよそ1400棟あり、このうち首都圏に半数以上が集中しています。そのうち、都内には全体の3分の1ほどにあたる470棟あるため、都内のほとんどのマンションが今回の改定の対象になることが予想されます。

タワーマンション節税の改正は、不動産投資家にとって重要なポイントです。税務規則の変更により、オーナーや投資家は新たな節税の機会を探る必要があります。当事務所では、豊富な経験と専門知識を持つ税理士がお客様をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

相続時精算課税制度の改正について

相続時精算課税制度という制度があります。
贈与税対策として活用されるこの制度ですが、2024年から大幅に使いやすくなることをご存じでしょうか。
当制度のこれまでの概要や改正内容のほか、暦年課税制度との違いについてご案内します。

1.相続時精算課税制度とは
相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子または孫などに対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。
この制度には2,500万円の特別控除があり、利用開始後の贈与財産の累計が2500万円を超えない限り、贈与税がかからないことになります。
贈与税は2500万円を超えた分にのみ一律20%がかかるため、贈与税を抑えることができます。
しかし、非課税となった2500万円までの贈与財産は、相続発生時に相続財産として持ち戻されるため、この制度によって贈与税がかからなくても相続税がかかることがあります。
また、この制度の利用を開始してから110万円以下の贈与をした場合(暦年贈与だと非課税で申告不要)でも期限内の贈与税の申告が必要となるなど、手間のかかる制度でもありました。

2.2024年1月1日からの改正
上記のように幾つか使いにくい点がある制度ではありましたが、今回の改正により大幅に使い勝手がよくなりました。
◎110万円の非課税枠の追加
既存の2500万円の特別控除とは別に、年間110万円の基礎控除が追加されました。
この基礎控除の範囲内であれば贈与税は勿論、相続発生時の相続財産への持ち戻しもありません。
◎基礎控除内なら申告不要
年間110万円以下の贈与については、贈与税の申告も不要となります。
これらにより、節税効果の低さ・申告作業の煩雑さという二つのデメリットが緩和されました。

3.暦年課税制度との比較
相続対策としてこれまで主流であった暦年課税制度との違いについて説明します。

暦年課税制度
◎従来から、毎年110万円以下の金額を非課税で贈与できます。
×相続発生時に、相続前3~7年(※)以内の贈与財産が相続財産に持ち戻されます(生前贈与加算)。
※2024年の改正により、従来の3年から段階的に引き延ばされ、2031年以降に相続が発生した場合は7年となります。

改正後の相続時精算課税制度
◎生前贈与加算が無いので、毎年110万円以内であれば相続発生時に相続財産となることがありません。
※当制度を利用して土地を贈与した場合、その土地には小規模宅地等の特例を使うことができません。
※一度この制度の利用を開始すると、暦年課税制度に戻すことができません。

生前贈与については毎年の税制改正大綱で制度が変わることもあり、都度検討が必要となります。
相続に関するお悩みや疑問がございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

新しいNISAについて

2024年以降、現行のNISAとは違った「新しいNISA」が導入される予定です。
主な変更点として、投資できる金額の増加、非課税保有期間の無期限化などが挙げられます。

1. 現行のNISAとは?
NISAとは、「少額投資非課税制度」のことです。
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかります。一方NISAの場合は、いくら利益が出ても制度の適用期間内は非課税となります。そのため、手元に残せる金額が多くなるといったメリットがあります。
現行のNISAには、成年(18歳以上)が利用できる「一般NISA」・「つみたてNISA」、未成年(18歳未満)が利用できる「ジュニアNISA」の3種類があります。
□一般NISA(制度開始2014年1月~)
株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できる。
□つみたてNISA(制度開始2018年1月~)
金融庁が選んだ一部の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できる。
□ジュニアNISA(制度開始2016年4月~)
株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できる。

2. 新しいNISAとは?
2023年末で「ジュニアNISA」は終了し、2024年以降は「一般NISA」と「つみたてNISA」が1つになります。
新しいNISAのポイントとして、以下が挙げられます。
・非課税保有期間の無期限化
・口座開設期間の恒久化
・つみたて投資枠※1と成長投資枠※2の併用が可能
(注)※1「一定の投資信託を対象とする長期・積立・分散投資の枠」で、これまでの「つみたてNISA」の役割を引き継ぐ枠のことです。(投資対象:一定の投資信託)
   ※2「上場株式への投資ができる枠」で、これまでの「一般NISA」の役割を引き継ぐ枠のことです。(投資対象:株・投資信託など)
・年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)
・非課税保有限度額は、全体で1,800万円(うち成長投資枠の上限は1,200万円。また売却時に売った分の投資枠が復活するという枠の再利用が可能。)

3.NISAの始め方
NISAの始め方として、主に以下のステップが挙げられます。
ステップ1:NISA口座を開設する金融機関を選ぶ
ステップ2:金融機関に口座開設を申し込み、NISA用の口座を用意する
ステップ3:投資する商品を選ぶ
ステップ4:選んだ商品の購入手続きを行う

      
従来と比べ、NISAの拡充と恒久化が盛り込まれた制度となっておりますので、
この機会にNISAを検討してみてはいかがでしょうか。

退職金について

令和4年度与党税制改正大綱では諸外国の制度を参考にして
退職金を含む老後の資産形成に関する税制の抜本的な見直しを行う方針が示され
令和5年度与党税制改正大綱でも退職金への所得税軽減措置の見直しが検討されています。
今回は、令和4年分以後の所得税について適用される退職所得金額の計算方法について
ご案内します。

1.退職所得控除
退職金にかかる税金は、退職金額から「退職所得控除」を差し引いて計算されます。

勤続年数20年以下の場合の退職所得控除額
=40万円×勤続年数(80万円に満たない場合には80万円)

勤続年数20年以上の場合の退職所得控除額
=800万円+70万円×(勤続年数-20年)

日本の所得税は所得が多くなるほど高い税率が適用されますが、退職金については勤続年数が長いほど税負担が軽くなるように上記の計算式で控除額を計算します。

2. 退職所得の金額
(1)一般退職手当等の場合【改正なし】
退職所得の金額
={収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額}×1/2

(2)特定役員退職手当等(役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等)の場合【改正なし】
退職所得の金額
=収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額

(3)短期退職手当等(勤続年数が5年以下の者に対する退職手当等)の場合【令和4年1月1日以降適用】
役員等以外の者として勤務した期間と役員等として勤務した期間を足した勤続年数が、
5年以下であるものに対する退職手当等として支払を受けるものであって、
特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。

(ⅰ)【収入金額-退職所得控除額】≦300万円の場合
退職所得の金額
={収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額}×1/2
(1)一般退職手当等の場合と同様の計算となります。

(ⅱ)【収入金額-退職所得控除額】>300万円の場合
 退職所得の金額
=150万円+{収入金額(源泉徴収される前の金額)-(300万円+退職所得控除額)}
300万円以下は(1)一般退職手当等の場合と同様の計算となります。
300万円を超えた部分は(2)特定役員退職手当等と同様に最後に×1/2することができません。

役員時と従業員時を合わせても勤続年数が短い場合に、退職金が多くなるほど税額が増えることになりました。

今春ご退職された方もいらっしゃるかと存じます。
ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。