投稿者: SOLARIA-STAFF

災害時の納税猶予について

 令和6年1月に北陸地方における大規模な地震、また、先日台風10号による大きな被害が発生しました。台風や地震などの自然災害は、日本に住む私たちにとって身近な存在です。そのため、災害による被害に備え、被害に合った際に活用できる納税の緩和制度を2つ紹介いたします。
 なお、対象となる税金は災害のやんだ日以前に納税義務が成立しており、災害により財産に損失を受けた日以降1年以内に納期限が到来する国税が該当します。
————————————————————————————————————————————
1.災害により財産に相当な損失を受けた場合の納税の猶予(納期限が到来していない場合)
 災害により財産に相当な損失を受けた場合には、税務署に申請をすることによって「災害により財産に相当な損失を受けた場合の納税の猶予」を受けることができます。
 ※納税までの期間における担保は不要で、延滞税は全額免除されます。

(1)適用要件
 ①災害により財産に相当な損失を受けた場合(被害額が全資産額の概ね20%以上)
 ②災害のやんだ日から2か月以内に申請があること
(2)申請方法
 納税の猶予申請書を税務署へ提出
 ※納税の猶予を受ける税金によっては、別途添付資料が必要になります。
(3)猶予期間
 納期限から1年以内

2.災害等により納付困難となった場合の納税の猶予(既に納期限が到来している国税)
 災害により財産に相当な損失が発生し、納税の猶予を受けてもなお納付することが困難と認められる場合は、税務署に申請することにより、「災害等により納付困難となった場合の納税の猶予」を受けることができます。
 ※納税の猶予を受けるためには原則相当額の担保が必要で、延滞税は免除されます。
 (猶予金額100万以下、猶予期間が3か月以内または特殊な事情がある場合は担保不要。)

(1)適用要件
 災害その他やむを得ない理由に基づき、国税を一時に納付することが困難な場合
(2)申請方法
 納税の猶予申請書及び添付書類を税務署へ提出
 ※災害などの事実を証明する書類、財産収支状況書等
(3)猶予期間
 原則1年以内。やむを得ない理由があると認められるときは、既に認められている猶予期間と合わせて2年以内を限度として延長可能。
 なお、納期限未到来の納税の猶予を受けた場合で、猶予期間内に猶予金額を納付できない場合は、一般の納税の猶予を受けることができ、最長3年間猶予されます。
————————————————————————————————————————————
納税の猶予を受けるには決められた期限内で書類の提出が必要な場合もございます。
実害にあわれて、お困りの場合やご不明点等御座いましたら、お気軽にご連絡ください。

上場株式の売却損が生じた場合に活用できる「損益通算」と「繰越控除」について

今月、日経平均株価が「歴史的な乱高下」をしたことで市場が騒然としました。もし、上場株式の譲渡損が出た場合に、所得税で活用できる制度についてご紹介いたします。

 

【1】概要

上場株式を売却して損した場合、利益と損失を相殺できる「損益通算」と、株の損失を3年間繰り越してその間の利益と相殺できる「繰越控除」という特例があります。

 

【2】上場株式の譲渡損失の損益通算とは?

損益通算とは、ある所得の損失を他の所得の利益と相殺することによって、全体の所得金額を減少させることができる制度です。また、上場株式の譲渡損失は、同じ年に発生した特定の所得のみと損益通算することができます。

上記により、譲渡損失を譲渡益と相殺することで、その年の課税対象となる所得を減らすことが可能です。

 

  • 損益通算ができる対象

上場株式の譲渡損失は、以下のような所得と損益通算が可能です。

・上場株式の譲渡益: 同じ年に他の上場株式取引で得た譲渡益と通算可能です。

・投資信託の譲渡益: 投資信託の譲渡による利益と損益通算できます。

・株式配当金: 申告分離課税を選択している場合、上場株式の配当金と損益通算できます。

※株式や投資信託以外の所得(給与所得、不動産所得など)とは損益通算できません。

 

2023年にA社の株式を売却して50万円の損失が発生し、同じ年にB社の株式を売却して70万円の利益が発生した場合、この損失と利益を損益通算することで、課税対象となる譲渡益は20万円となります。

 

【3】上場株式の譲渡損失の繰越控除とは?

繰越控除とは、その年に損益通算してもなお控除しきれない譲渡損失を翌年以降の3年間にわたり繰り越すことができる制度です。繰り越した翌年度以降の上場株式や投資信託の譲渡益と相殺することができます。

注意点として、繰越控除を受けるためには、損失が発生した年に確定申告を行い、繰越損失を申告する必要があります。また、翌年以後3年間は毎年確定申告をしなければなりません。株式を売却しなかった年についても、確定申告が必要ですのでご留意ください。(特定口座で源泉徴収ありを選択している場合でも、繰越控除を受けるには確定申告が必要です。)

 

2023年に100万円の譲渡損失が発生し、2024年に50万円の譲渡益が発生した場合、2023年の損失を2024年に繰り越して相殺することで、2024年の譲渡益に対する課税額をゼロにすることができます。

そして、残りの50万円の損失はさらに2025年に繰り越すことができます。

 

このように、株式取引で発生した損失は、適切に繰越控除を行うことで、将来の利益に対する税負担を軽減することが可能です。

 

—————————————————————–

ご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

交際費等の損金不算入制度の変更について

今回は2024年度の税制改正を踏まえて、法人における交際費等の経費の取り扱いについて紹介します。


1.交際費とは
法人にとって、交際費、いわゆる接待に使った費用が損金算入される(=経費となる)ことは一般的に知られていることかと思いますが、現在の税法上では交際費は原則的に損金算入しないこととされています。

政府には税金を公平に徴収したい、そのため使途が明確でない交際費は経費とすべきでないという言い分があり、一方で経済界には、交際費は事業の運営上必要なものだから経費とされて然るべきという言い分があり、その両者の対立が背景となり、1954年に交際費を損金算入することに初めて制限が設けられ、以降企業の規模や、交際費の金額の多寡によって、何度も調整がなされてきました。

2024年の改正前までは、損金算入しないという原則の上で
①一人あたり5,000円以下の飲食費等は、交際費には含めない
②中小法人以外は飲食費等の50%を、中小法人は飲食費等の50%か年800万円までのどちらか有利な金額まで損金算入できる
という2つの特例措置が設けられていました。

2.2024年度の改正概要
今回の改正では、上記の特例措置のうち、①の金額が変更となりました。
2024年4月1日以後は、一人あたり10,000円以下の飲食費等は、交際費には含めないこととされます。

物価の上昇への対応や、コロナウイルスによってダメージの大きかった飲食店の需要を抑制しないことが、狙いとなっているようです。

また、こちらは税制改正による変更はありませんが、限度額内の飲食費等を交際費に含めないために、帳簿書類に金額や支出した年月日の他、参加した得意先や関係者名、参加した人数を記録しておく必要があります。

税制改正と物価高を踏まえて、交際費の社内ルールの見直しを行ってみるのもよいかもしれません。
飲食店経営事業者の方はメニューの価格改定を行ってみるのはいかがでしょうか。


ご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

経営セーフティ共済の改正について

経営セーフティ共済について、令和6年度の税制改正により制度の内容が一部変更となりましたのでご案内いたします。

経営セーフティ共済とは
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できます。
また、共済契約を解約された場合は、解約手当金を受け取れます。自己都合の解約であっても、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります。ただし、12か月未満での解約の場合は全額掛け捨てとなります。
掛金は月額5,000円~200,000円の範囲で、5,000円単位で設定が出来ます。掛金の増額・減額や前納も可能で、積立限度額は800万円です。
個人事業主・法人いずれも加入できますが、業種・従業員数・法人の設立形態によって加入条件が異なりますので、ご確認の上、お申込みする必要が御座います。

経営セーフティ共済の改正内容
本来の目的である取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための利用ではなく、掛金全額を受け取れるタイミングで一度解約し、再加入するという節税目的での利用が目立ったため、改正が行われました。
令和6年10月1日以降は共済を解約し、再度共済契約を締結する場合、解約から2年を経過する日までの掛金については、必要経費または損金の額に算入できないこととなります。
解約時は一時金でしか受け取ることが出来ないので、9月30日までに一度解約を行う場合においても、税負担が大きくなる可能性が御座います。解約のタイミングについては注意が必要です。

経営セーフティ共済は節税対策としての活用に制限が入りましたが、取引先の倒産による自社の経営難への予防策として非常に有効な制度です。
ご不明点等御座いましたら、お気軽にご連絡ください。

令和6年度税制改正による住宅ローン控除について

子育て・若者夫婦世帯への支援強化の必要性や、急激な住宅価格の上昇等の状況を踏まえ、令和6年度税制改正の大綱に住宅ローン控除の制度変更が盛り込まれました。

 

1 住宅ローン控除

住宅ローン控除は住居用の自宅を購入するために借入された方が利用できる制度です。住宅ローン控除を利用すると、新築の場合は13年間、中古住宅の場合は10年間にわたって年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から直接控除することができます。また、所得税から引ききれない場合は住民税から差し引くことも可能です。

2022年以降の住宅ローン控除では、購入する住居の種類に合わせて、借入限度額がわかれており、より性能の高い住宅を購入するほど、たくさんの控除が受けられるようになっています。

 

2 改正内容

今回の税制改正では政府が進める「異次元の子育て支援」の流れを税制面から後押しするため、住宅ローン控除の改正が行われ、子育て・若者夫婦世帯に対して、借入限度額が拡充されました。

 

改正前

新築・買取再販住宅 認定住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅
借入限度額 4,500万円 3,500万円 3,000万円

※新築・買取再販住宅とは宅地建物取引業者により、一定の増改築等が行われた一定の居住用家屋のことをいいます。

 

改正後

新築・買取再販住宅 認定住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅
借入限度額 子育て・
若者夫婦世帯
5,000万円 4,500万円 4,000万円
上記以外 4,500万円 3,500万円 3,000万円

※床面積要件は50㎡以上(合計所得金額1,000万以下の場合、40㎡以上)

例)

改正前

・省エネ基準適合住宅を購入するため借入(5,000万円)をされた場合の住宅ローン控除額

→3,000万円×0.7%=21万円

改正後

→4,000万円×0.7%=28万円

子育て・若者夫婦世帯の条件に該当する方が新たに住居を購入するために借入をされた場合、改正前と改正後で7万円の控除額が増加します。

 

3 対象者

次の(1)(2)のいずれかに該当する「子育て特例対象個人」とされています。

  • 夫婦のうちの一方又はその両方が40歳未満である個人
  • 19歳未満の扶養親族を有する個人

※なお、(1)(2)に該当するか否かは、令和6年12月31日時点の現況によります。

 

今回ご紹介した住宅ローン控除は「子育て特例対象個人」が令和6年1月1日~12月31日までの間に新築・買取再販住宅を取得して居住された場合に限ります。

しかし、上述しました住宅の購入以外にも、「子育て対応改修工事」した場合でも住宅リフォーム税制の適用対象に追加されるなど、すでに自宅をお持ちの方でも適用される制度もございます。新たに自宅の購入やすでに居住されている自宅のリフォームを検討される方、また、その他不明点やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

 

定額減税について

所得税・住民税の定額減税についてどのような制度なのかご案内いたします。

——————————————————————————————————–

1.定額減税とは

令和6年分の所得税と個人住民税に対して行われる減税施策のことです。

 

2.控除される金額

(所 得 税) 本人と扶養親族人数×30,000円

(個人住民税) 本人と扶養親族人数×10,000円

※上記扶養親族には所得税の控除で含まれない、16歳未満の方も含まれます。

※控除しきれなかった額については、令和7年1月以降に繰り越して控除されませんが、

別途給付金制度がございます。

 

3.控除を受けられる人

(1)令和6年分の所得税の納税者であること。

(2)日本国内に住所を有する個人または引き続いて1年以上居所を有する個人(居住者)であること。

(3)令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下であること。

 

4.給与所得者、年金受給者、個人事業主についてそれぞれの減税方法

(1)給与所得者

6月給与に係る源泉所得税で控除されます。引ききれない金額については7月から12月の給与源泉所得税、年末調整、確定申告にかけて順次控除されます。

※主たる給与の支払者のもと(甲欄)でのみ控除されます。

※源泉徴収票の摘要欄に減額済み額が記載されます。

 

(2)年金受給者

6月に支給される公的年金の源泉徴収分から控除されます。

引ききれない金額については給与所得者同様7月から12月、確定申告にかけて順次控除されます。

 

(3)個人事業主

第1期予定納税額から控除されます。

引ききれない金額は、第2期予定納税で、最終的には確定申告で控除額を清算されます。

 

5.具体的な減税のされ方

(本人と扶養親族2名の場合で、各月の源泉徴収税額が35,000円の場合)

定額減税所得税控除額:30,000×3名=90,000円

6月     7月     8月     9月以降

控除前税額   35,000円  35,000円  35,000円  35,000円

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢  ▢▢▢▢▢▢   ▢▢▢▢▢   ▢▢

控除後税額      0円       0円      15,000円  35,000円

 

6.住民税の控除

(1)給与から引かれる方(特別徴収)は、6月分は控除されず、年間の金額から7-5月分の11カ月間で均一に控除されます。

(2)自分で納付する方(普通徴収)は、控除額が引かれた納付書が届きます。

 

 

ご不明な点ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

2割特例について (インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)

2割特例について
(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)

10月より消費税に関するインボイス制度が開始されました。

たくさんのご事情検討後免税事業者から課税事業者となり、初めての消費税計算や納付に向けて不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな事業者様のために事務的労力の負担を軽減する特例をご紹介いたします。


□2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)とは

インボイス制度開始である令和5年10月1日に免税事業者から課税事業者になられた方を対象に、
仕入税額控除額を特別控除税額、すなわち売上に関する消費税額の8割にすることができる、というものです。

これまでの消費税額の計算では、
預かり消費税額から支払った消費税額を差し引いて計算する必要がある本則課税制度と、
預かり消費税額に仕入れ率をかけるに簡易課税制度がありますが、事務的労力がかかります。

2割特例制度を適用する場合、
売上に関する消費税額 × 20% = 消費税の納付額
となり、計算にかかる労力の負担軽減をすることができます。

この特例は提出する消費税申告書に「2割特例を適用する」旨を記載することで受けることができ、事前の届出は不要です。

また、インボイス登録時に適用した課税方法と比較し、各課税期間ごとに納付額に有利な制度を選択することが可能なので、その場合は納付税額の負担軽減にもつながります。

□特例を適用できる期間
令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間となります。

□対象外の課税事業者
・基準期間における課税売上高が1千万円を超える事業者の方
・資本金1千万円以上の新設法人
・インボイス発行事業者の登録と関係なく事業者免税点制度の適用を受けないこととなる方
・課税期間を1カ月又は3カ月に短縮する特例の適用を受ける方

また、簡易課税の届出は通常は課税期間の初日の前日までですが、インボイス登録をしている場合は令和5年12月31日までに、届出に令和5年分から摘要する旨の記載し提出をすれば令和5年分から適用が可能です。

インボイス制度に関しては、弊社HP過去ログもございますのでご参照ください。
インボイス制度の登録受付が始まっています
インボイス制度について

ご不明な点ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。

参考URL:2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要

相続土地国庫帰属制度について

令和5年4月27日より、「相続土地国庫帰属法」が施行されました。この法律により、一定の条件を満たすことで、相続または遺贈によって取得した土地を手放して国に引き渡すことが可能となりました。今回は、「相続土地国庫帰属制度」についてご紹介いたします。 

  • 制度の目的

国内では先代、先々代と相続が重なるにつれて権利関係が複雑になり、所有者不明の土地が年々増加しています。そのような土地は、所有権の問題で第三者の利用が難しくなります。そこで、所有権が明確なうちに国の管理下に置くことで、土地の再活用を目指すことが目的です。 

  • メリット

要件を満たせば国が引き取ってくれるので、買い手を探す手間が省けます。売却出来る可能性が高い土地の場合は本制度の検討は不要ですが、活用が見い出せない土地は売却が難しく、固定資産税の支払いや管理費用も発生します。そのまま所有するよりも、費用を負担して国に引き渡した方が安く済む場合に活用すると効果的です。 

  • 申請対象者

相続又は相続人に対する遺贈によって土地を取得した人が対象です。本制度開始前に 取得した土地についても、申請可能です。 

  • 引き取り不可能な土地

引き取ることが出来ない土地の要件概要は下記になります。 
(1) 申請をすることができないケース(却下事由)(法第2条第3項) 
 A 建物がある土地 
 B 担保権や使用収益権が設定されている土地 
 C 他人の利用が予定されている土地 
 D 土壌汚染されている土地 
 E 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地 

 (2) 承認を受けることができないケース(不承認事由)(法第5条第1項) 
 A 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地 
 B 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地 
 C 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地 
 D 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地 
 E その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地 
出典:法務省(相続土地国庫帰属制度の概要) 

  • 申請先

申請先は、「帰属の承認申請をする土地が所在する」都道府県の法務局・地方法務局の本局の不動産登記部門となります。法務局・地方法務局の支局や出張所では受付出来ませんのでご注意ください。 

  • 諸費用

・審査手数料 
土地一筆当たり14,000円が発生します。 
・負担金 
国に引き渡す際の管理費用にあたる負担金を納める必要があります。金額は、一筆ごとに原則20万円ですが、市街地や農用地区に当たる宅地、田畑は、面積によって負担金額が上昇します。森林については、面積の大きさで負担金額が決まります。土地の状況によっては100万円程度かかる場合もございます。 

今回は「相続土地国庫帰属制度」についてご紹介いたしました。制度を利用するにあたって、いくつか条件が定められており、費用も発生いたします。不明点などございましたら、お気軽にご相談ください。 

教育資金の贈与の特例について

年間110万の基礎控除を超えて、贈与税がかからないように贈与を行いたい場合、教育資金の贈与の特例という非課税枠があることをご存じでしょうか。
今回は教育資金贈与の非課税枠についてご紹介します。

1 教育資金の贈与の特例とは
もともと教育資金は、必要な費用をその都度渡して使い切る場合は、贈与税はかかりません。
この特例の特徴は、「一括で」「すぐに使わなくても」、子や孫1人につき1,500万円までの贈与が非課税という点にあります。
また、この制度は令和5年度の税制改正により、令和8年3月31日まで適用期限が延長されました。
※贈与者は(祖父母など)直系尊属であり、受贈者は30歳未満であることが必要です。

2 制度の対象となる教育資金
学校の入学費用や授業料などに使うことはもちろん、教育に関する役務提供の対価、スポーツの指導対価、文化芸術に関する活動の対価に使うこともできます。
※学校等以外への支払いは500万円までしか認められていません。

3 必要な手続き
1. 贈与者と受贈者の間で、贈与契約書を交わす。
2. 受贈者名義で金融機関に「教育資金口座」を開設する。
3. 口座を開設した金融機関に「教育資金非課税申告書」を提出する。
(「教育資金非課税申告書」を金融機関経由で、税務署に提出する)
※贈与税の申告を別途行う必要はありません。
4. 贈与者が教育資金口座へ教育資金を入金する。

4 相続税が非課税となる条件
税制改正により、贈与者が亡くなった場合、残高の全額が相続税の課税対象財産になりました。しかし、次のいずれかの条件を満たす場合には相続税が非課税となります。
1. 受贈者が23歳未満の場合
2. 受贈者が学校等に在学している場合
3. 受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合

教育資金の贈与の特例を使って行った贈与は、生前贈与加算(死亡前3~7年以内にした贈与の相続税の持ち戻し)の対象にならないため、手元に金融資産が十分にある場合は教育資金の贈与の特例をご検討することも節税対策として有効です。

今回、ご紹介した教育資金の一括贈与については所得要件、資金の使途制限や期間が定められているなど、デメリットもございます。
そのため、ご検討されるうえで、不明点やお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

ふるさと納税について

ふるさと納税について 

 

ふるさと納税制度は「ふるさとの自治体に貢献できる制度」、 

「応援したい自治体を選ぶことができる制度」として創設された制度で実際には「寄附」です。 

一般的に自治体に寄附をした場合には確定申告を行うことで、 

その寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除されますが、 

ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額(所得に応じた上限があります)が控除の対象となります。 

すでにご活用の方も多いかと存じますので、 

今回は2023年10月から適用される新ルールとあわせてご案内します。 

 

【変更点】 

1)「5割ルール」の厳格化 

「募集に要する費用」を寄附金受入額の5割以下とするルールはこれまでもありました 

このルールの適用がより厳格化され、ポータルサイトの利用手数料の全てや各種事務に係る費用等も明確に「募集に要する費用」として算入することになりました。 

 

2)熟成肉・精米は同一都道府県内産のみ 

熟成肉と精米は、同じ都道府県で生産されたものを原材料とするもののみが返礼品となります。返礼品として人気のあるお肉やお米ですが、産地が異なる例えば「輸入肉を地元で熟成した返礼品」を「地場産品」と見なして良いものかなど、一部の返礼品に疑義が呈されたためです。 

なお、海外からの輸入品を原料にしていても、味付けなどの加工で相応の付加価値を付けられた等の場合は返礼品となります。 

 

【ふるさと納税の流れ】 

(1)寄附金控除上限額を調べる 

※ふるさと納税は、所得に応じて控除が適用される金額に上限があります。 

(2)寄附をする自治体を決めて申し込む 

(3)「お礼の品」と「寄附金控除証明書」を受け取る 

※「寄附金控除証明書」は確定申告で使用するので大切に保管してください。 

4)確定申告をする 

詳細は弊所ホームページ過去ログ「インターネットを使わなくてもできるふるさと納税」もご参照ください。 

 

【確定申告とふるさと納税ワンストップ特例制度について】 

ワンストップ特例を利用すれば確定申告をしなくても寄附金控除をうけられますが 

確定申告すると自動的にワンストップ特例での申請は無効になりますので、 

確定申告される方はワンストップ特例の申請は不要となります。 


10月以降は、従来と同じ返礼品でも寄附金額の引き上げが行われたり、いままであった返礼品がなくなってしまう可能性があります。既に気になるものがある方は今月中に寄附を行ったほうが、良いかもしれません 

ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。