押印廃止について

「デジタル化、働き方改革、在宅勤務、ペーパーレス化」など、働き方について様々なワードが出てくる中、仕事の仕方も非対面となることが多くなりました。そのような中で、各種手続きに伴う押印について改正がありました。
令和3年度税制改正により、令和3年4月1日以降に提出する税務関係書類について、一部を除き、押印を要しないこととされました。

税務書類とは、申告書・申請書・届出書・調書・その他の書類のことをいいます。言い換えれば、税務署に提出する必要がある書類のことです。
国税通則法という法律により、国税の税務関係書類については、押印しなければならないと規定がありました。また、税理士法でも、「税理士は申告書や税務書類に署名押印しなければならない。併せて本人も署名押印しなければならない。」と規定されています。弊所も以前は、年間1,000件以上もの押印をしていました。

令和3年度税制改正大綱には以下の記載がありました。
納税環境のデジタル化「~税務関係書類における押印義務の見直し~」(引用)税務署長等に提出する国税関係書類のうち納税者等の押印を求めているものについては、現行において実印による押印や印鑑証明書の添付を求めているもの等を除き、押印義務を廃止する。また、地方公共団体の長に提出する地方税関係書類についても、国税と同様、押印義務を廃止する。

何故、押印を廃止することになったのでしょうか。理由は2点挙げられます。
・国、地方公共団体を通じたデジタル・ガバメントの推進による行政手続コストの削減。
・感染症の感染拡大により、対面方式等による課題への対応。
どちらにも通ずるのは、税務手続の負担軽減のためです。
一方で、国税の税務関係書類の提出を電子にて行う場合には、書面提出ではないため押印不要となっています。弊所も基本的には電子申告・電子署名を行っているため、お客様への押印の依頼は減少傾向にあります。

令和2年度の所得税確定申告から、電子申告にすることで書面申告するよりも控除を多く受けることができるようになりました。今後もデジタル化・キャッシュレス化に対応した税制の改正が行われていく予定です。常に新しい情報を取り入れて対応していきたいですね。

参考URL
国税庁「税務署窓口における押印の取扱いについて」
https://www.nta.go.jp/information/other/data/r02/oin/index.htm