医療費10万円ないけど使える? セルフメディケーション税制

今年は例年よりも早く梅雨の時期となりました。気圧や気温の変化が大きくなるため体調を崩される方も少なくないと思います。今回はちょうど、適用期限が延長された、セルフメディケーション税制についてご紹介します。年間医療費は高額でなくとも、ドラッグストアでよく市販薬を購入する方は、利用できる可能性があります。
医療費控除についてはVol.75(2019年12月25日記事)をご参照ください。

◎セルフメディケーション税制とは?
健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、スイッチOTC医薬品(※1)を購入した際に、その購入費用について医療費控除の代わりに所得控除を受けることができる制度です。
医療費控除の特例であり、通常の医療費控除といずれか一方を選択して適用することができます。
※1 セルフメディケーション税制対象医薬品は商品のパッケージやレシートに記載があります。

1.適用期間 平成29年1月1日から令和3年12月31日まで→【改正】令和8年12月31日まで
2.適用要件 一定の健康診査等又は予防接種を受けていること等、健康の保持増進及び疾病の予防への取組(※2)を行っていること
3.税制対象医薬品 スイッチOTC医薬品
4.所得控除 ご家庭での購入費用合計額(年間10万円を限度)から1.2万円を差し引いた金額
5.必要な手続き
・取組(予防接種等)に関する書類は確定申告書への添付が必要(e-Taxの場合は手元保管)
・医薬品購入費は明細を添付
※2 対象となる取組
(1) 健康診査(いわゆる人間ドック等で、医療保険者が行うもの)、(2) 予防接種
(3) 定期健康診断(事業主健診)、(4) 特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、(5) がん検診

◎一年間でかかった費用と控除額の具体例
医療費120,000円、スイッチOTC医薬品年間購入金額50,000円、自己判断によるPCR検査(陰性)33,000円、インフルエンザワクチンの予防接種3,500円(領収書保管)
1.医療費控除(10万円超から)を選択                                                                                             →20,000円控除(医療費120,000円-下限額100,000円)
2.セルフメディケーション税制を選択                                                                                             →38,000円控除(スイッチOTC医薬品50,000円-下限額12,000円)
但し、PCR検査(陽性)であれば医療費控除の対象となるため、医療費控除選択で53,000円控除となります。

確定申告まで時間がありますが、ドラッグストアのレシートを含めて領収証は保管し、ご不明な点は弊所へお気軽にご相談ください。