住民税、森林環境税、ふるさと納税について

6月に入り、勤務先から住民税決定通知書や居住する市区町村から住民税納付書が届いたころでしょうか。住民税とは自分がその年の1月1日に居住する地域に納付する地方税です。届いたままにしたり、なんとなく納付書の金額を支払ったりしていないでしょうか。今回のテーマは住民税の徴収、令和6年度より徴収が開始された森林環境税、ふるさと納税の控除についてです。近年ふるさと納税をする人が増えていますが、住民税に反映されているかどうか確認されていますでしょうか。今回はこれらの内容についてお話しします。

 

・住民税について

(1)普通徴収

納付方法は「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。普通徴収は納税者が市区町村に直接税金を納める方法です。市区町村は納税者から申告された前年1年間の所得などに基づき、確定した住民税の税額を納税通知書に記載して納税者に送付します。納税者はこの納税通知書に従って住民税を市区町村に納めます。1年分を4回に分割するか一括で納付するかを選択できます。

 

(2)特別徴収

特別徴収とは納税者以外の者、給与の支払いをする会社などが納税者から税金を徴収して代わりに納める方法を言います。例えば会社員は原則として特別徴収税額通知が会社に送付され、会社がその会社員の住民税を毎月の給与から12分の1ずつ天引きして会社員の居住する市区町村に納めます。

 

(3)住民税決定通知書の見方

所得:前年1年間の年収から給与所得控除を差し引いた金額

所得控除:前年の所得から控除された金額

課税標準:総所得金額①から所得控除合計②を差し引いた金額(総所得③)

税額:課税標準欄に記載された課税所得をもとに計算された住民税(税額控除前所得割額)

納付欄:各月に給与から差し引かれる住民税額

 

住民税決定通知書が届くのは毎年5-6月ごろになります。市区町村から納税者や納税者が勤める会社に住民税の納付書とともに送付されます。

 

・森林環境税について

冒頭でも触れましたが、令和6年度から森林環境税の徴収が始まったのはご存じでしょうか。我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創立されました(出典:林野庁)。1人年額1,000円を市区町村に納付します。納税された森林環境税は国を通して森林環境譲与税となり、全国の都道府県と市区町村に配分されます。そして森林経営管理制度を始めとする森林整備やそれらを担う人材の育成など様々な取り組みに活用されます。

 

・ふるさと納税について

(1)ふるさと納税とは

自分の選んだ市区町村に寄付を行った場合に、寄付額のうち2,000円を超える部分について所得税と住民税から原則として全額控除される制度です。例えば50,000円を寄付すると、2,000円を引いた48,000円が所得税と住民税から控除されます。控除を受けるためにはふるさと納税を行った翌年に確定申告またはワンストップ特例制度(5か所以内の納税の場合)による手続きが必要となります。

 

(2)控除されたか確認する方法

住民税決定通知書の摘要欄にある「寄付金控除」または「税額控除額」の金額が昨年のふるさと納税額の-2,000円と同額になっていれば正しく控除されています。

 

(3)控除されていなかったら?

原因として考えられるのは申告を忘れたときです。その場合控除が適用されません。確定申告は寄付をした翌年の3月15日までですが、5年以内ならさかのぼって還付申告をすることが可能です。

 

これを機に住民税決定通知書を見直してみましょう。これまで意識したことのなかった人もご自身の住民税について確認してみてはいかがでしょうか。