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分譲か賃貸か

分譲か賃貸か

家賃がもったいないのでマンションを買いたい、と相談を受けることがあります。

持ち家のメリット
ローンを払い終えれば資産になる、老後の住まいの確保、リフォームが自由
賃貸のメリット
住み替えが楽、固定資産税・維持費がかからない

賃貸は持ち家より老後資金が多くかかります。
85歳まで生きるとしますと65歳でリタイアしてから20年間、
毎月の家賃が10万円だとすると2400万円必要です。
持ち家の場合だと定年までに完済するように住宅ローンを組めば
老後の住居費は維持費や修繕費程度ですみます。
また借り手が見つかれば賃貸収入を期待できますし、
いざという時は売却も可能です。

3000万円の物件をローンで購入する場合(金利2%、期間35年)は
頭金なしだと毎月の返済額9万9378円で支払総額が4173万円になります。
この物件を賃貸で借りた場合(物件価格の4%を家賃として、10万円/月)は
35年間で4200万円になります。このように35年間の支払総額は殆ど変わりません。
持ち家だとこの支払額の他に修繕費や固定資産税がかかります。
固定資産税は年間10万円、修繕維持費も固定資産税分ぐらいの積立が必要ですので
同じく年間10万円、合計20万円/年の35年分、700万円持ち家のほうが多く支払います。
借入完済後この700万円以上の資産価値が持ち家にあれば持ち家のほうが得だといえます。

持ち家の場合は金利上昇と資産価値の減少が大きなリスクです。
頭金を2割以上準備したり、まとまった資金が貯まれば元本の一部を前倒しで返す「繰り上げ返済」を
使えば金利のリスクは軽減できます。
また資産価値を維持するには、時間がたっても変わらない劣化しにくい条件を満たしていることが
重要です。
時間がたっても変わりにくく資産価値を保つもの、
それは「立地」「駅徒歩10分以内」「管理良好」だそうです。

ただ転勤が多い人や親から実家を相続して住む予定がある人は
住み替えのしやすいことから賃貸のほうが向いてるかもしれません。
金銭面の損得だけでなく、自分や家族の価値観、将来のライフプランに照らしあわせて
考えることが大切そうですね。

路線価をもとに相続税額などが計算されます

 

平成27年7月1日、国税庁から今年の路線価が発表されました。

この路線価をもとに相続税額などが計算されますが、土地についてはこの他にも公的な評価額がいくつか存在します。

 

4つの公的な評価額

一つの土地について、実際の売買価格の他に以下の4つの評価額が存在します。

  1. 公示地価…国土交通省が3月に発表するもので、売買する際の参考価格として利用されます。
  2. 固定資産税の路線価…各市町村が4月から6月にかけて発表するもので、公示地価の70%を目処に設定されています。固定資産税評価額を算定する際に使用されます。
  3. 相続税の路線価…国税庁が7月に発表するもので、公示地価の80%を目処に設定されています。相続税評価額を算定する際に使用されます。
  4. 基準地価…都道府県が9月に発表するもので、売買する際の参考価格として利用されます。

どこで活用されているのか上記(1)から(3)のうち、特に(1)と(2)は様々な税金の税額算定の基礎として活用されています。


1.について…主に購入時や所有中にかかる税金

土地の購入時には不動産取得税や登録免許税が課税されます。さらに所有中は毎年、固定資産税が課税されます。
いずれも上記㈪を基礎として税額が決定されます。ただし固定資産税については、
住宅用地について納税者の負担が大きくならないように200平方メートルまでは6分の1に減額できる制度があります。


2.について…贈与時や相続時にかかる税金

贈与を受ければ贈与税が、相続をすれば相続税が課税されます。こちらは上記㈫を基礎に税額を計算します。
ただし相続税については納税者の負担が大きくならないように、配偶者や親と同居していた子どもなどが
自宅の土地を相続する場合は330平方メートルまでは評価額を80%減らす小規模宅地等の特例があります。

このように固定資産税や相続税の路線価は税額算定の基礎として大きな役割を担っています。
相続税の路線価は国税庁のHPから気軽に見ることが可能ですので一度眺めてみてはいかがでしょうか。

結婚・子育て資金の非課税措置について

 

平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間、親・祖父母等(直系尊属である贈与者)が子や孫等(受贈者)に対して結婚・子育て資金の支払に充てるために最大1000万円までに対して贈与税が非課税となります。
 

結婚に際して支払う次のような金銭(最大300万円まで)

  • 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻日の1年前の日以降に支払われるもの)
  • 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)

 

妊娠、出産及び育児に関する次のような金銭

  • 不妊治療・妊婦健診に要する費用
  • 分娩費等・産後ケアに要する費用
  • 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)

 

非課税措置のポイント

  • 平成27年4月1日から平成31年3月31日までの贈与が対象
  • 受贈者は20歳以上のお子様・お孫様で、50歳になるまでの結婚・子育て資金が対象。
  • 非課税となる結婚・子育て資金の金額は受贈者1人につき最大1000万円まで。
    (祖父・祖母から1000万円ずつ結婚・子育て資金として贈与を受けても大丈夫です)

 

活用時の注意点

受贈者が50歳になられた日に贈与された金額が残ってしまった場合は、その残額が50歳になられた年に贈与があったものとみなして贈与税の課税対象となります。

また、贈与者が途中でお亡くなりになった場合は、お亡くなりになった日における残高が相続税の課税財産となります。

この非課税制度の適用を受けるためには、結婚・子育て資金口座の開設等が必要です。手間がかかりますが、使いきれる金額でこの制度を利用されてみてはいかがでしょうか。

遺言とはなにか

 

遺言書とはなにか

平成27年1月より相続税の改正があり今後納税者が増加すると見込まれている中、遺言に注目が集まっています。

遺言は被相続人の「意思」であり最も手軽にできる相続対策といえます。

遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言があります。

自筆証書遺言は誰にも知られずにいつでも作成でき費用もかからない、というメリットが有りますが自宅などで保管するため紛失や改ざんの恐れなど大きなデメリットも有ります。

弊社では費用がかかっても効果が確実な公正証書遺言をおすすめしております。公正証書遺言は原本が公証役場に保管され紛失・改ざんの恐れはありません。

 

遺言書によくある問題として、その遺言が発見されることがないといったこともありますが、公正証書遺言だと全国どこの公証役場でも相続人であれば遺言書を検索することが出来ます。

どこでいつ作成されているのか公証役場で管理されているので安心です。
遺言書を作成するときに病気などで公証役場に行くことが出来ない場合でも、公証人が出張してくれます。

公証役場というと敷居が高そうですが相談も無料で受け付けていただけますので一度行かれてみられることをお勧めいたします。

 

もめない相続のために

遺言書にはどの財産を誰にあげるかということが指定できます。この誰にという中には相続人以外の人を指名できるのが遺言書の特徴です。

遺言書がない場合ですと配偶者や子どもといった法定相続人のみが財産を受け継ぐことが出来、介護などで苦労したお嫁さんは一切相続できません。さらに原則法定相続分での分割になるため一見平等ですが同居での介護の苦労が反映されないため家族間で争うことも多くなります。

遺言書によって子どもやお嫁さんへ財産だけではなくの感謝という「想い」も伝えることが出来ます。

それは財産を他の子より多く与えるというだけではなく、遺言書にこれまでの介護の感謝や今まで財産を築き上げてきた苦労、これからどのように守っていって欲しいか、などの【付言事項】を記載することが出来ます。

相続によって家族が争うケースを良くお見受けします。それは相続対策が節税対策に偏り、分割対策やご家族での意思の統一を後回しにしてきた結果だと思えます。この機会に一度ご家族でご自身の財産がどのように形成され、どのように引き継いでいって欲しいのか、話し合われてみてはいかがでしょうか。

遺言書やそれに記載する付言事項を活用してぜひお互いを思いやる相続を実現させてみましょう。