前回に引き続き、2020年までに適用される新制度についてご紹介します。
◆介護や看病の貢献分の評価
相続人ではない親族が被相続人の介護などをしていた場合、その親族が金銭を請求できるようになります。
例えば「被相続人の長男のお嫁さんが長年介護していた」というケースの場合、これまでは、長男のお嫁さんは相続財産をもらう権利がありませんでした。
しかし今回の改正により、そのお嫁さんは金銭を一定額請求できるようになりました。
実際にいくら請求ができるのか、まだ基準となるものが決まっていないため不透明ですが、介護時間や労働内容などによって変わってくると思われますので、介護内容を日記につけておくなど、記録を残しておくのが賢明かもしれません。
◆自筆遺言の取扱い
自筆遺言について主に2点の改正があり、これまでより利用しやすくなりました。
①法務局で保管してもらえる
これまで自筆遺言は基本的に自宅で保管するのが主流であったため、紛失や火災消失あるいは偽造、意図せぬ開封による遺言の無効化などのリスクがありました。
法務局で保管してもらうことができるようになると、それらのリスクは少なくなりそうです。
従来は自筆遺言を開封する際に家庭裁判所に相続人全員が集まって検認するという手続きが必要でしたが、法務局で保管してもらった自筆遺言については、
この「検認」が不要になり、手続きがスムーズになります。
②財産目録をパソコン等で作成できる
これまで自筆遺言は手書きでの作成が必須であったため、どんなに財産が多くても財産目録を手書きで作る必要がありました。
しかし、この改正で財産目録部分についてはパソコン等で作成することができるようになりました。
以上、前回とあわせて5つの改正点をご紹介しました。
今回民法で大きな改正があったように、法律は毎年のように改正があります。
相続対策をしていたけれど、法律が変わったために無駄になってしまったというケースも見られますので、注意が必要です。
ご心配な方はお気軽にお問い合わせくださいませ。