不動産小口化商品に関する令和8年度税制改正

令和8年度税制改正にて、相続税の不動産評価における大きな影響のある改正がありました。特に影響のある不動産小口化商品を中心に、改正の内容とその影響についてご説明します。

不動産小口化商品とは
不動産小口化商品とは、賃貸用不動産を、持分を細かく分割して1口100万や1,000万円などの少額にして販売し、その賃料収入等は投資額に応じて分配する商品です。通常、相続の節税策や分割策として活用されてきました。

2. 改正のポイント
令和8年度税制改正により、任意組合型・信託受益権型の不動産小口化商品について、 相続税・贈与税の評価方法が「路線価評価」から「通常の取引価額(実勢価格)」へ変更されます。
これにより、従来のような大幅な評価圧縮による節税効果はほぼ消滅します。
適用開始:令和9年(2027年)1月1日以後の相続・贈与から適用

3. 改正前の評価方法
不動産小口化商品は、従来はその他の不動産と同様の評価でした。
それにより、場所等により大きく異なるものの、70-80%購入価額よりも減額されることも多く、極めて節税効果が高いものでした。

4. 改正後の評価方法
令和8年度改正により、以下のように評価方法が変更されます。
(1)通常の取引価額による評価
以下の価格を参考に「通常の取引価額」を算定します。
事業者が示す適正な処分価格・買取価格
事業者が把握する売買実例価額
定期報告書等に記載された不動産価格

(2)上記がない場合の評価
取得価額の80%で評価(貸付用不動産の評価方法に準じる)

(3)対象となる商品
任意組合型
信託受益権型(信託型)

※匿名組合型は従来から時価評価のため影響なし。

5. 改正による影響

(1)節税効果の消滅
従来:1口1,000万円 → 評価200万円
改正後:1口1,000万円 → 評価800万円(取得価額の80%)
(2)既存保有者も対象
取得時期に関係なく、2027年以降の相続・贈与では改正後の評価。

6. 2026年中に検討すべき対策
2026年12月31日までの贈与は従来評価が適用されます。よって今年中に生前贈与すれば、低い評価で計算することができます。

7. まとめ
来年より、不動産小口化商品の相続税・贈与税評価が 実勢価格ベース に変更されます。それにより、節税スキームとしての利用は 大きく効果が下がる見込みです。

2027年以降は評価圧縮ができないため、既に所有されている方、購入を検討されている方は、相続対策等として適切かどうか判断の見直しが急務です。専門家にご相談のうえ、その将来の影響をよく検討し、必要な対策を立てましょう。