最近、老後資金の準備として注目されている「個人型確定拠出年金(通称、iDeCo)」。
従来このiDeCoは自営業者や学生、企業年金を実施していない会社員しか加入資格が与えられていませんでした。しかし2017年1月からiDeCoの加入者の範囲が拡大したことに伴い、急激にその数を伸ばしています。
そこで今回はこのiDeCoについてご紹介します。
◆制度内容
iDeCoとは、拠出限度額の範囲内で自由に掛金を設定・支払い、その積立金を運用し、60歳以降に給付金を受け取る仕組みです。
節税効果が高く、老後に向けた資産形成の一手段として利用できる公的制度です。今年1月の法改正では従来の毎月定額拠出に加えて、年単位で掛金を支払うことができるようになる等、年々改良されています。
◆メリット
1、掛金は全額所得控除
年末調整や確定申告の時に掛金を全額控除することが可能となるため、所得税や住民税の軽減を図ることができ、節税対策になります。iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除の対象となります。
2、受取時に退職所得控除、公的年金等控除が受けられる
通常、個人年金保険は受取時に雑所得とみなされるため、所得税・住民税が多く発生します。しかしiDeCoの場合は、一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金等控除が受けられます。そのため、受取時の税負担を軽くすることができます。
◆注意点
1、運用商品の元本割れリスク
iDeCoは投資信託を利用して運用するのが主流です。そのため投資のタイミングや選んだ商品によって元本割れを起こす可能性があります。運用商品を選ぶ時は、リスクの程度や商品の特徴などを把握する必要があります。
2、加入者本人のみ所得控除の対象
iDeCoの所得控除を利用した場合、掛金は「小規模企業共済等掛金控除」の対象となります。そのため「社会保険料控除」と異なり、加入者本人の掛金しか所得控除の対象になりません。
例えば国民年金保険の場合、大学生の子どもの国民年金保険料を父親が支払っている時は父親の控除として「社会保険料控除」を利用できます。しかしiDeCoの場合、奥様などが加入していた場合も、その分の掛金をご主人の所得控除として利用することはできません。
現在、20歳以上60歳未満の方ならほぼすべての人が加入できるようになったiDeCo。老後の資産形成について興味がある方はぜひ一度、検討してみてはいかがでしょうか。