結婚と税金

6月は「ジューンブライド」と言われる月ですので

2015年にスタートした【結婚や育児資金の一括贈与の特例】について

思わぬ税負担が生じてしまわないよう仕組みを整理していこうと思います。

この特例は、

「将来の経済的不安により結婚や出産をためらわないよう」

「両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて子や孫を支援する」ことを目的とし、

結婚・出産・育児に関連する費用の贈与を受けた20歳以上50歳未満の子や孫は、最大1千万円、

うち結婚資金に限っては300万円まで贈与税を課税されない特例を利用できる制度です。

お得な制度に見えますが注意したい点もあります。

まず、一括贈与の時点では決められた額まで非課税になりますが、結婚・育児資金贈与では子や孫が50歳になった時点で贈与資金の使い残しがあるとその残額に贈与税が課税されてしまいます。

また、贈与した人が死んだときに残額が相続財産に加算され、相続税の課税対象となります。

非課税対象になる資金の使いみちは結婚・出産・育児のための費用に限定されており、贈与されてすぐに全額を使い切るのは難しいのが現状です。

多額の資金贈与にはリスクが残るため贈与の際に非課税になることにつられて子や孫に多額のお金を渡すと後々課税対象になってしまう点は注意が必要です。

ただ、この特例を適用すると孫やひ孫は、通常の相続では相続税額が2割加算されるところを加算されずに済むこともあり節税策として検討の価値もあります。

結婚や育児のために贈与額を使わないと税金がかかるため、

通常の暦年贈与に比べ、子どもが親の望まない分野に散財してしまう可能性は低くなるので、

子どもの結婚・出産を望む親にとっては使いみちをある程度指定できる特例として意味のある制度と言えそうです。