2016年度税制改正において創設されたスイッチOTC薬控除は、特定一般用医薬品等の購入費用が
年1万2000円を超えた場合には、その購入費用のうち1万2000円を超える額を
所得控除できる制度で、現行の医療費控除との選択適用となります。
これまで医療費控除が受けられるのは原則1年間に使った家族の医療費が10万円を
超えた場合でしたが、2017年から申告のハードルが下がることになります。
今回は来年から導入される「スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)」の概要を紹介します。
これまでの医療費控除は病気やケガをして1年間に使った家族全員の医療費が10万円
(総所得金額200万円未満の人は、総所得金額の5%)を超えた場合に、
確定申告すると税金が戻る可能性があるというものでした。
病院や診療所に支払った医療費のほか、医療機関までの交通費、ドラッグストアで購入した
薬代なども計上できます。今回、新たに導入されることになった
「スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)」は、1年間に街の薬局で購入した市販薬が
1万2000円を超えると、所得から控除できるようになります。
ただし、利用期間、控除額、対象となる市販薬の種類は、次のように決められています。
◇利用期間
2017年1月1日~2021年12月31日まで
◇対象となる市販薬
医療用成分が配合された薬局で購入できる市販薬で、「スイッチOTC」と呼ばれているもの。
※厚生労働省のホームページに対象品目一覧が掲載されています。
◇控除額
1年間に、自分や家族が購入したスイッチOTC医薬品の金額のうち1万2000円を超えた部分の金額。
例えば、1年間に購入した医薬品の金額が5万円だった場合は、
3万8000円をその年の所得から控除が可能です。
スイッチOTC薬控除は病院や診療所の利用が少ない家庭の税金を優遇することを目的に
作られたものですので、出産や長期入院で医療費が10万円を超えるようなケースでは、
従来の医療費控除を利用する方が得になります。
2017年からは今まで医療費控除を受けられなかった方でもスイッチOTC薬が1万2000円を
超えていれば控除を受けることが出来ますので、
日頃の領収書を確認されてみてはいかがでしょうか。