所得税、住民税、消費税、法人税など、身の回りには様々な税金が存在します。
カラオケで曲を入れると、作詞家や作曲家に”印税”が入る話を聞いたことがある方も多いと思います。
この印税、冒頭にあげた税金と同じく最後に税がつきますが、税金ではありません。
今回はそんな印税の名前の由来についてお話をします。
◆印税とは
著作物を複製して販売等する者(著作権の版権を持つ会社など)が、
発行部数や販売部数に応じて著作権者に支払う著作権使用料の通称です。
◆なぜ印税という名前になったのか
昭和40年代頃まで出版社が書籍を発行する際、1冊ごとに著作権者が検印や押印した紙片(検印紙)を貼り付け、
その検印数を基に著作権使用料の計算を行っていました。
検印紙の枚数に応じて著作権使用料を支払う行為が、収入印紙税に似ていることから”印紙税”と呼ばれるようになり、
後に略され現在の印税という通称になった説があります。
出版社にとっては、検印数に応じ著作権者に対し支払わなければならない金銭という
税金にも似た側面があった為、この通称が定着したのかもしれません。
◆印税にかかる税金
著作権は個人もしくは一定の要件を満たす法人に帰属します。
今回は、個人で著作権を持ち印税による収入があった場合にかかる税金についてお話します。
個人の印税には所得税がかかります。印税が発生する事業を本業で営んでいる場合は事業所得、
副業の場合は雑所得で確定申告を行います。
個人の印税収入は支払者から受け取る時点で、既に源泉徴収が行われています。
支払者は著作権を持つ個人に代わり、所得税を納めています。
著作権者は支払者が発行する支払調書を基に収入額と源泉徴収額を把握し、
収入を得るためにかかった必要経費を算出したうえで、最終的な所得税額を計算します。
計算した所得税が源泉徴収された金額よりも少なければ還付になり、多ければ差額分だけ所得税を納めます。
名前だけみると税金の仲間と思ってしまいそうな印税ですが、
著作権とあわせて調べてみると面白い発見が沢山あります。印税についてのお話でした。